底地に関するよくある疑問に、専門家がわかりやすくお答えします。
底地(貸宅地)は、一見すると安定した資産のように見えても、売却や活用には複雑な権利関係が絡むことが多く、悩みを抱えるオーナー様も少なくありません。
このページでは、実際に多く寄せられる「底地に関する疑問」について、専門家の視点からわかりやすく解説しています。
「誰に相談していいかわからない」「今さら聞けない…」というようなお悩みも、ぜひ参考にしてください。
底地Q&A
底地(そこち)とは、地主様が所有している土地に他の方の建物がある場合を指します。つまり、借地権が設定された土地の所有権のことです。土地と建物の権利が分かれている状態をいいます。
借地は土地の賃貸借に該当しますので民法第601条の適用を受けます。賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
とありますので地主さんと借地権者さんとで合意した時点、で借地権が成立(契約の成立)します。
■存続期間
借地権の存続期間は、新法では建物の種別に関係なく、一律に30年となります。当事者間でこれより長い期間を定めることは自由です。
一方、旧法の場合は少し複雑で、建物の種類により異なっています。堅固な建物とそうでない建物 (非堅固建物:木造など) に分かれますが、
堅固な建物の種類としては、石造・レンガ造・土造・コンクリート造・ブロック造などが規定されています (時代を感じますね) 。
鉄筋コンクリート造はもちろん堅固建物に該当します。
そして、旧法による最低存続期間は堅固建物で30年、非堅固建物で20年となり、これより短い期間を定めた場合には “期間の定めがないもの” とみなされます。
旧法による期間の定めがない借地権では法定期間が適用され、堅固建物は60年、非堅固建物は30年とされます。期間の定めがなければ無期限というわけではありません。
■更新後の存続期間
新法の場合、1回目の更新で20年、2回目以降の更新では10年となります。いずれの場合も、当事者間でこれより長い期間を定めることは自由です。これが旧法では、堅固建物が30年、非堅固建物が20年となっています。
地主さんが借地契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要になります。
借地借家法第6条にから部分的にわけると
①借地権設定者及び借地権者さんが土地の 使用を必要とする事情→これが一番重要なポイントです。その土地を必要とする事情が地主さんと借地権者さんでどちらが強いのかということです。
②借地に 関する従前の経過及び土地の利用状況→更新料等の授受していたのか、地代の支払いに滞りがなかったかといった借地における諸事情を考慮にいれます。
③借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者さんに対して財産上の給付をする旨の申出をした場合→いわゆる地主さんが明渡料 を提案したかどうかということです。明渡料は正当事由の補完的な要素と考えられており、十分すぎる金額を提示したとしても借地権者さんの土地利用の必要性 が高い場合は正当事由が認められないことが多いです。正当事由に関しては裁判で争うことも多く、総合的な判断をする必要があります。
そのままにせず早期のうちに、内容証明で地代の請求をしたほうがよいでしょう。
内容証明を利用するのは、確かに催告したという証拠として残すためです。 明け渡しを目指す場合は、支払いの催告に加えて相当期間内に支払いがないことを条件とする契約解除の意思を内容証明で通知します。
この通知を出して相当期間内に地代の支払いがなければ、契約を解除できる可能性があります。相当期間内についてはケースバイケースで地代の一部支払いまた は全額不払いなどを考慮に入れ判断されます。また、借地権者さんが度々滞納を繰り返す場合は、信頼関係を壊したと認められるので、契約解除が可能になります。
地代額についての法律上の規制はなく、原則として地主さんと借地権者さんの合意になります。様々な適正地代算定方法はあるものの、算定基礎として使われる 周辺の地価や地代に適切な事例が見つからないのが実情だと思います。そこで当事者が簡易に算定する場合の一つの指標となるのが土地にかかる税金(固定資産 税・都市計画税)です。地主さんも税金を支払えないような地代では貸している意味がありませんので、税金がこのくらいだから地代設定はこのくらい必要だと 説明すれば、借地権者さんの理解も得やすいと思います。判例では土地にかかる固定資産税・都市計画税の3~5倍程度の地代設定を認めた事例もあります。
ただし、裁判においては様々な方法で適正地代を算定するので統一的な見解が分かれるところです。適正地代鑑定の方法としては、スライド方式、差額配分方式、 積算方式、賃貸事例比較方式などが適正地代算定方法として使われることがあります。
地代の支払いは借地契約の根本的な要素になりますので地代の支払いがないと信頼関係が破壊されたと判断され契約を解除される可能性があります。地主さんが 何らかの事情であらかじめ地代の受領を拒み、地代を持参しても受け取ってもらえないことが明らかな場合は受領拒否を理由として法務局に供託することが可能 です。供託すれば地代支払い債務を履行したとみなされます。
借地権を第三者に譲渡する際や建替えをする際に地主さんの承諾が法律で定められています。地主さんが承諾する代わりに承諾料を支払うのが慣習的にあります がこれには理由があります。諸説ありますが一つの考え方として、地主さん側からすると旧法であれば建物が朽廃(人が住めなくなるぐらい老朽化しているイ メージ)すると借地契約は終了し、土地を返してもらえるので建替えを認める代わりに承諾料をもらうということになります。
また借地権者さんが変わるという ことは地主さんにとってリスクでもあります。新しい借地権者さんが地代を支払わない人であったり、ルールを守らない人だと困ります。こういった理由で承諾 料を支払うようになった背景があるようです。
有効です。
増改築禁止特約があるのに地主さんの承諾または裁判所の代諾許可を得ずに増改築した場合には、契約違反となり解除することができます。ただし増 改築の程度がごく小さいものであったり、建物が類焼したために緊急に建物を改築する必要があったなど、信頼関係が破壊されたとまでは認められない特段の事 情があるときは、地主さんからの解除を認めなかった判例もあります。
現在の測量技術は正確なので、昔に測った面積と違っていることがよくあります。多少の相違であれば物件の特定が可能ですので従来の借地契約は有効です。
明らかに何倍もの面積の違っていて場所も特定できないようであれば無効になる可能性はあります。ですが裁判ではできるかぎり当事者の意向を尊重する傾向にあるので話し合いになるでしょう。
返還する際には原状回復義務がありますので更地で返還することが原則ですが、借地権者さんには借地契約期間満了時に建物買取請求権を行使することができま す。実務上、借地契約が終了しても建物が残っていることは多く、まだ使える建物を壊すことは社会経済上もったいないことです。そのため借地建物を時価で買 い取るよう地主さんに請求できる権利を借地権者さんに認めています。
なお判例では地代の不払い等の債務不履行で契約が解除された場合の建物買取請求権の効力は否定されています。
底地に関しては買う人によって価値が違いますので明確な相場というものはなく、当事者の合意が原則となります。底地の路線価における財産評価割合は 30~40%であることが多いですが、第三者に売却する場合、この割合で売却できるかというと可能性はほとんどありません。底地であることのデメリットが 考慮されるからです。
底地の価値を最大限生かせるのは借地権者さんと地主さんになります。借地権者さんが底地を購入すれば、自身の借地権と併せて所有権に なります。底地を持っている地主さんが借地権を購入すればこれも所有権になります。第三者が底地を購入する場合は前述のような加工が必要となるので多少売 買価格は低くなりますが、交渉におけるトラブルを回避することが長所といえます。底地の売買は、言った言わないなどの感情論になりかねません。
地主さんがどのように底地を運用したいかによって底地の売買価格は変わると言えます。
借地契約期間満了時に借地権者さんは地主さんに対して建物を時価で買い取るよう請求することが認められています。時価は建物が現存するままの状態での価格 を指し、借地権価格ではありません。
時価の捉え方は明確な指標を見つけにくく、地主さんと借地権者さんの話し合いによって決めるのが原則となります。また 時価については建物の場所的利益を考慮に入れることもあります。
方法としては2つあります。
借地権者さんに売却するか、底地を専門に取り扱っている不動産会社に売却するか。借地権者さんに売却する場合のメリットとして は、借地権者さんは所有権化できるので高く売却することができる点です。
デメリットとしては底地を測量→借地の境界に沿って分筆→借地権者さんと交渉→売 却という作業が必要になるので時間が掛かります。また借地権者さんとの交渉時に感情的になって、まとまらず底地が売れ残ってしまう可能性があります。売れ 残った底地に関しては不動産会社から買取を断られることもあります。不動産会社に売却するメリットは面倒な手間がいらないという点と一括して売却すれば底 地の管理から解放される点です。デメリットとしては地主さんが直接借地権者さんに売却する金額に比べ安くなる点です。